鹿児島県トカラ列島│雄神の瀬│クレージーダイビングスポット│アーカイブ

Photo by TAKEO

1)ポイント名称:雄神の瀬(トカラ列島)

2)チャート番号:5

3)概要:トカラの難所、ベスト1。このポイントへ潜水経験を持つダイバーは日本国内でほんのわずかである。超A級ポイント。

4)人員:3バディー 6名が限度。

5)次の条件が揃えば一年中OK。

①各ダイバーはAダイバーに戻っていること。

②午前中にダイビングが完了できること。(万一流された時、救助、捜索の時間を昼まで充分確保したい為。)

③晴天であり波高1.5m未満であること。(浮上後の発見が容易である。)

④潮見表上では小潮回りでしかも潮止まりが望ましい。(この時でも2~4kは覚悟しなければならない。)

6)潮の状況:西から来る黒潮本流の中心に位置する。

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7)船長の注意事項:

〇船上には船長(操船)、ワッチ(1名)、ダイバーが浮上した際の収容(2名)の合計4名が居ることが望ましい。ダイバーが潜水中は全員でワッチを行う必要がある。

〇ポイントを船上より視認し、ダイバーも地形を頭に入れること。

〇ドリフトはまったく不可能、泡は流れて見えない。

〇操船順位は下図の通り。

 

8)ガイドの注意事項:

〇ガイドはダイバー5名を連結出来るバディロープを用意し浮上時に使用する。

〇ポイントA1(20m線)に着岩することは比較的容易であるが、浮上に際して次の如く細心の注意が必要である。

a)浮上途中に引込み潮に入った場合(必ず入ると考えた方がよい。)BCをオーバーフローさせても降下する。もしタイミングが遅れると60~80m位迄、一気に潜行してしまう。この場合、泡は自分より下方へ流れているので急速浮上中と錯覚するのでよくよく注意したい。この状態を脱出するのにガイドは12ℓシリンダーで50kg/㎠のairを消費すると考えたい。

b)次に吹き上げ潮に入った場合であるが上下左右が認識できなくなり(バーティゴの症状)一面泡のみとなる。

脱出手順は次の通り。

〇ガイドは吹き上げ潮に入ったと察知する。

〇全員のBCを0にする様指示。

〇ガイド他1名(なるべく脚力の強い者)は直ちにヘッドファーストの体勢で残りの4名を引っぱり急速先行する。しかし、実際にはその状態で浮上が続いている。

〇しばらくすると流れが安定し減圧体勢に入りことが出来る。

〇ガイドはあらかじめ、海底より直立した乱流がどの様に続くかその距離を頭に入れておく必要がある。

9)エントリー:

〇バックロール・ヘッドファーストの順。着水後すぐにポイントを視認できるので全力でA1に向かう。万一、1名でも着岩出来ず流された場合は、ガイドは全員を直ちに流されたダイバーを追い浮上させる。

〇カメラはニコノスを1台にとどめたい。(1バディーにつき)

10)エキジット:

〇残圧100kg/㎠で浮上スタンバイ。

〇全員をバディーロープで連結後浮上開始。

〇その他は8)を参考に。

11)減圧:

〇浮上途中、急浮上、急潜行を繰り返すので減圧はぜひ行いたい。

〇3m減圧を行う頃は乱流を抜け出し、安定した流れに入るので安心できる。フロートを揚げ、船長がそれを発見した時は、フロートの至近距離まで本船を近づけ、エンジン音で発見し追尾を開始した旨をガイドに知らせるよう打合せをしておくと、長時間の減圧を安心して行うことが出来る。

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12)魚類

〇ローニン 100㎏クラス 2~3匹ずつ海底より現れる。

〇キワダ鮪 50㎏クラス 水深10mあたりをカツオと共に超スピードで回遊。

〇アラ 100㎏クラスOVER 海底より岩をはう様にダイバーを見にやってくる。

〇鮫の類 ホージロ、ハンマー、ヨシキリ、メジロ、ネズミ等々。中層よりダイバーを目指し急接近する。

〇ナポレオン 軽自動車より大きい。 何事もない風情で泳いでいる。

〇石鯛 5~10㎏クラス マスクをのぞきにくる。

〇その他多勢

2024年09月08日